頭脳の明晰さとトレーニング
2018年05月25日
リハビリ メンテナンス
頭脳の明晰さとトレーニング
鍛えなければ筋肉はたるむ。 脳も鍛えなければ、その調子を保つことは難しいと思う。 どうすれば一生にわたって頭脳の明晰さを保っていられるのか。 筋肉を鍛えるためには、適切な運動を行うことが肝心であるが、 脳の調子を保つ、つまり頭の冴えを維持するために鍛えるということを考えると、 頭を使う活動を行うことが大切であることはよく知られていると思う。 精神機能を損なうことは、実は他の何よりも恐ろしい。 もちろん事故や病気で身体に不自由さが残るのは大変つらいことである。 それにも増して、精神機能にダメージを受けて、意識をなくしてしまったり、記憶を失ってしまったり、 自分が誰だか分からなくなったりして、我を失ってしまうことは、極端な話かもしれないが、 誰しも最も避けたいことなのではないだろうか?そこまでの話ではなくても、 知的な機能を最適に保つことは老後の生活の質を高めることに違いはない。 頭を使わなければ衰退するというのはよく知られているが、実はそれだけでは足りない。 驚くべきことに、肉体的な運動が頭を元気にするのに重要であることが近年の研究で分かってきている(1)。 いいかえれば、あなたが何をするのかが、 あなたの精神的な健康に影響をする。肉体も精神も活動的であることが、 年を取ってからの頭の冴えを維持するのに役に立つのだ。このことは古くて新しい。 哲学者達は古くから思案していた。 ローマの雄弁家キケロは「精神を支え知性の活力を保つのは訓練のみだ」と言ったという。 当たり前すぎるかもしれないが、 肉体的な健康は認知力を健全に保つのに役に立つ。 「まず獣身を成して而して後に人心を養う」とは福沢諭吉の初等教育に対する考えだが、 肉体の健康は精神の健康のためには大切であるということ。 これは、成人してからも、そして成人してからこそ、重要なのであろう。 (1) Barnes DE, et al. (2003) A longitudinal study of cardiorespiratory fitness and cognitive function in healthy older adults.J Am Geriatr Soc. 51(4):459-65
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