セオリーの功罪
2018年05月25日
スポーツプラス健康コラム
セオリーの功罪
2010年のプロゴルフの世界では、男女共に、日本ツアーの賞金王は韓国人選手という結果になりました。 その理由として、韓国人の方が日本人よりハングリー精神が強いからであるとか、 韓国では国家がジュニアエリートを育成しているから、という説明がされていますが、 私は、韓国人ゴルファーのスイング理論が日本人のそれと異なっているからではないかと考えています。 日本人ゴルファーの多くは、体重移動を積極的にするというスイング理論に基づき、 ボールとクラブが接触するインパクトの時点で、右足の踵が浮いています。 それに対して、韓国人ゴルファーのスイングは、体重移動が少なく、回転運動で、 インパクトの瞬間に右足の踵が地面に付いています。これは大きな違いで、 男女日本ツアーと女子米国ツアーの賞金王または賞金女王が韓国人選手に占められた理由ではないかと思います。 理論またはセオリーtheoryというのは本当に重要で、スポーツだけではなく国家運営においても同様です。 20世紀はアメリカ合州国とソビエト連邦の覇権争いの時代でしたが、 これは建国の原理となったジョン・ロックの政治理論とカール・マルクスの政治理論の戦いでした。 ジョン・ロックは私有財産propertyの保護を国家の使命とし、カール・マルクスは私有財産の公有を主張しました。 その結果、後者は生命と自由と財産を抑圧する国家を生み、自壊して行きました。 医学の世界にも様々な理論があり、専門家同士が論戦を繰り広げています。 血清コレステロール値を薬物で下げた方が良いと主張する医学界と、 下げないほうが良いとする栄養学会の論争は2010年の話題となりました。 予防医学に関しても、朝食真理教と朝食有害説の論争は終わっていません。 正解は時間のみが教えてくれますが、両論を吟味してから選択する習慣がとても大切ではないでしょうか。
コメント..