パラダイムシフト
2018年05月25日
スポーツプラス健康コラム
パラダイムシフト
先日、パーゴルフという雑誌(2010年11月16日号)を読んでいて、二つの衝撃的な記事がありました。 一つはプロ、もう一つはアマチュアゴルファーに関する記事です。 ゴルフの世界では「ダウンブローに打ち込め」という教えが普及しており、ボールを上から打ち、 芝ごと飛ばす打ち方が良いとされてきました。 この教えに従って、何万球ものボールを打ち込んだ結果、上記のプロゴルファーは、 左手母指丘の腱断裂によりゴルフクラブが握れなくなり、競技生活を一時的に断念したそうです。 また、上記のアマチュアゴルファー(大手薬品卸会社社長)は、マットの左端にボールを置いて、 ダウンブローで打てというレッスンプロの指導を忠実に実践し続けた結果、右眼の網膜はく離になりました。 地面を打ったときの振動が、眼に伝わり、これが何万回と反復したことによる外傷性網膜はく離というのが眼科医による診断のようです。 その雑誌で、プロゴルファー育成で有名な坂田信弘プロは、 上から打ち込むダウンブローは土の上で打たざるを得なかった時代のスイング理論で、 芝の上からは横から払い打つようなレベルブローが正しい、と述べています。 昭和のダウンブローから、平成のレベルブローへ、劇的なパラダイムシフトがゴルフ界にも起きているようです。 ところで、以下の命題のうち正しいものはいくつあるでしょうか? 「しっかり朝ご飯は健康の元」 「米を食べるとバカになるから、パンとマーガリンを給食の柱に」 「運動中に水を飲むな」 「試験や試合の前日にはカツ丼」 「コレステロールが高くなるから卵はなるべく食べない」 「骨粗鬆症予防には牛乳が一番」 「傷口はしっかり消毒する」 「ウサギ飛びで足腰を鍛えろ」 答えはゼロです。ゼロどころか、これらの命題は全て、完全な誤りで、 正反対をするのが健康に寄与するのですが、学校や社会でまだ普通に、教育、実践されているものもあります。 コペルニクス的転回またはパラダイムシフトというのは本当に難しいことです。 しかし日本人にはそれができる、と私は考えております。 1868年に、それまでの江戸幕府公認であった儒学と漢方医療をアッサリと捨てて、 科学と西洋医学に方向転換した明治政府にも、1945年に皇民教育と鬼畜米英から、 民主教育と米国追従へと正反対の方針を打ち出した自民党政府にも、日本人は従ってきました。 変わり身の早さが日本人の取り柄で、健康教育および予防医学においてもその力が発揮されること願っております。
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